こんにちは。現在、2016年の貸借対照表作成、まっただ中のMASAKIです。
2016年は、新たに数銘柄を買い付ける事ができ、ここまで非常に良い運用結果を残しています。なおかつ、新たなキャッシュフロー(配当、株主優待)を私に運んできてくれています。
今日は、その銘柄の内の一つである、東芝について書きたいと思います。そうです、今なお巷を騒がせているあの東芝です。実は、
私は、投資家として東芝株を保有していたのです。そして、今回の暴落を真正面から、回避することもできず、まともに食らいました。
11年を超える投資経験があるとはいえ、やはり、自分の持っている株が暴落するのはとても辛いです。今回、この株を私がどう処理したのかについて実際の事例を知っていただくことで、投資に必ず付いて回る、保有株を急落・暴落が襲った時の対処のヒントにしていただければ幸いです。
買い付けはすべて昨年(2016年)に行いました。買い付け価格は、
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後ほどお伝えします。
昨年年末に突如発表された、米国の原子力発電事業で数千億円(数十億ドル)規模の減損損失が出る可能性があるという発表がなされたあと、私は保有している東芝株すべてに、成り行きの売り注文を入れました。
売却価格は260円でした。
やはり、売ると決断するまでには感情的な摩擦はありましたし、グズグズと「どうにかなるかもしれない...」とも考えたりもしましたが、結局、「いや、これはどうにもならん!!」との最終的な判断と相なりました。
東芝株を売却した理由
1.数千億規模の損失計上を短期間で連発している
東芝の今期の最終損益予想を1450億円の黒字(前期は4600億円の赤字)としています。この黒字はNANDフラッシュメモリ市況の改善、2年間で3万人以上とされる人員削減、不採算事業の徹底した見直しにより、やっとの事で確保した本当に大事な利益です。
東芝で日夜努力されている社員、東芝再建を信じた株主、融資を継続した銀行にとって希望とも言える黒字です。
それが、不正会計による2016/3期の4600億円にのぼる最終損失計上に続いて、5000億円を超えるかもしれない今回の米原子力事業での損失です。
今回発表された、『数千億規模の損失』の数千億の部分をどのようにとらえるかも悩みどころですが、(ほんま、大雑把で適当な経営感覚で私が一番気になるところです)
仮に、5000億程度(発表時)の損失だとすると最終赤字どころか大幅に自己資本が損なわれ資金繰りに重大な問題が生じることになります。(16年9月末時点での自己資本は3600億円強です。)
私は、投資家として今後の東芝に、訴訟問題を含め、何が起きるか見通しを立てることすらままならないと判断しました。
2.東芝経営陣の企業統治能力への疑念
東芝が、米国の原子力発電子会社であるウエスチングハウス(WH)を買収したのは今から10年前の2006年のことです。三菱重工業や米ゼネラルエレクトリック(GE)との争奪戦に勝利してWHを約54億ドルで手に入れ、その後の追加費用を含めると6000億円に及ぶお金をつぎ込んできました。
当時の西田厚聡社長は、世界中で原子力エネルギーの需要が増えるとして、原子力事業の規模を「東芝単独の年2000億円から2015年には3倍以上に増やせる」と発言していました。
その後、2011年の東日本大震災発生による、原子力発電所の建設への需要の低下が世界中で起こり、当初のシナリオは大幅に狂うことになります。
その後、今回の発表に至るまで、WHの損失を東芝経営陣がまともに把握することさえできていなかったのではないかという疑念が、私が東芝株を売却する最大の要因になりました。
まとめ
その後、東芝関連のニュースは継続的に次から次へと発表されていますが、私にとっては上に挙げた2つで投資判断としては十分なものでした。
近年、多くの日本企業にとってM&A (企業の合併・買収)は、競争を生き残るため、そして、今後の成長のために重要なテーマであり、今後もそうあり続けると思います。
しかし、経営陣に売り手企業の実態を正しく把握する能力と気概がなければ、今回の東芝のように買収する側そのものの経営が傾く自体になりかねないということを私たち投資家も強く肝に命じなければならないと痛感しました。
ちなみに、私の東芝株の買い付け価格は、、、
192円でした。株の保有数量は伏せます。私にはとくだん露出趣味ははありません。
ちなみに、保有期間全体の東芝株のチャートを描画してみると、
途中、475円をつけるまでの間に「少しは売っておけよ!」という話だと思うのですが、この辺が今後の私の課題です。
しかし、ここで注目していただきたいのは、ここまで酷い、いわゆる『いってこい』となったにも関わらず、私は『損切りを』をしていないことです。
つまり、私は今回の東芝株急落で売らざるを得ない状況に追い込まれてしまったにもかかわらず、35%以上の利益を上げることができているのです。
このことは、[su_highlight background="#fffc99" color="#ff1c2b"]投資は、正しい手法を身につけることでリスクを抑えることができる[/su_highlight]という一例を示しています。
あなたは、どうお感じになられましたか?もし、何か私に投資について聞いてみたいことなどがあれば、お気軽にコメント欄や問い合わせフォームから質問してみてください。