金持ちの思考

『投資家』と『投機家』の違いを知らなければ長期的に資産は築けない

 

 あなたは投資家と投機家の違いについて考えたことがありますか?そんなことよりも、今、巷に溢れかえっている、トランプ相場で急騰しそうなとっておき銘柄の方が気になりますか?

 

 もし、昨年11月からの値動きにフラストレーションや、取り残された感覚を感じているとしたら要注意ですよ。なぜなら、感情的になり、溢れる情報に振り回されるような精神状態は、投資判断を誤るにはうってつけの状況だからです。

 

 そんなマーケットの賑わいをよそに『投資といっても、何をすればいいのかわからない』という気持ちを抱えている方に向けて、私の考える『投資と投機の違い』について書いていきます。

 

 自分の過去を振り返ると、この違いを忘れてしまい、投機についつい手を出してしまった時、必ずと言ってよいほど失う必要のないお金を失ってきました。

 

 私はもう同じ過ちを繰り返したくないです。

 

投資家と投機家の違い

 このブログでは、投資家と投機家をはっきり区別したいと考えています。

 

 一般の人が、投資により不必要な被害を被ってしまう原因の多くは、この二つの言葉を同義語のように扱い、その弊害を顧みないことにあるのだと思います。

 

 そして、私が考えるに、一般的投資家がなんらかの投資行為により、長期的に自分の資産を築いていき、経済的なリターンを得て行くためには守らなければならないある程度はっきりとしたルールがあります。もっとハッキリ表現すると、超えてはならない一線のようなものです。

 

 そして、その一線こそが投資家(investor)と投機家(speculator)を分ける分水嶺であり、どんなに魅力的な誘惑を感じたとしても、決して越えることがあってはならないデッドラインだと考えています。

 

 (本当に、私が自分で痛い目に合ってきたので断言したいですし、多くの有象無象の一発屋が吹き飛ばされて行く姿をこの目で目撃してきたのです)

 

 以下に、私が最も重要だと考える『投資家の3つの条件』を記します。まず一つ目は、

 

1:価格と価値の不一致について裏付けを取る

 いきなりまどろっこしい表現をしてしまいました。説明していきますね。

 

 ここで言う価格とは、株価など現在の市場価格のこと。価値とは、企業の本質的価値のことで、業績や、過去の収益の実績、将来性などから判断します。

 

 つまり、あなたが投資しようと考えている企業の株価が、その本質的価値に対して相対的に安いとかどうかを認識した上で売買をするのが投資家だということであります。やはり投資家たるもの企業の財務状況には目を向ける必要があるのです。

 

 例えば、目の前に株価が急落している二つの企業があるとします。チャートだけから見るとほぼ同じ動きをしています。一方は、マーケットを駆け巡ったデマによっての下落であり、もう一方は、会計の不正操作が明らかとなり大幅な最終赤字となることが判明したことによる下落だとします。

 

 あなたは両社の急落を買い付けのチャンスだと感じています。ところがここで、価値と価格の不一致についての裏付けを取る行動をスキップしてしまうと、後者をお値打ち価格だと考えて安易に手を出してしまう可能性は高まってしまうのです。

 

 すごくシンプルですが投資において大事な手順なのです。

 

 ここで、投資家とは何者かを言い表した言葉を紹介します。

 

 バリュー投資の創始者で知られ、ウォーレン・バフェットの先生としても有名なベンジャミン・グレアムは、古典的名著「証券分析」の中で『投資』について定義付けを試みています。それによると、

「投資とは、詳細な分析に基づいたものであり、元本の安全性を守りつつ、かつ適正な収益を得るような行動を指す。そしてこの条件を満たさない売買を、投機的行動であるという」

 

 投資家とは、企業の財務状況を把握していなければならず、その本来的価値と比較して、適切な価格で証券などを取得することが投資であると述べているのだと思います。

 

 どれだけ市場の『値動き』に詳しくて、チャートを扱うのが上手で、トレーディングのテクニックがあったとしても、適切な財務状況を把握しようとしない人がいます。そのために大きな損失を出してしまい、せっかくの利益を失ってしまうことが多いのです。

 

 私も、株を取得するときは必ず、その企業の上げている直近数年間の財務状況やどれくらい稼ぐ力があるのかを短時間で分析します。

 

 恐らく、グレアムさんの言葉にある「詳細な分析」なんていう言葉を見た瞬間、

 

[voice icon="https://japanhighgrowthinstitute.com/wp-content/uploads/2017/03/takeo_smile-e1494216567795.png" name="" type="l "]やっぱり投資信託を買います。[/voice]

[voice icon="https://japanhighgrowthinstitute.com/wp-content/uploads/2017/03/good_women01_L-1-e1493468955319.png" name="" type="l icon_yellow"]やり方が分からないし、時間もかかりそう。[/voice]

 

 という反応が聞こえてきそうですが、実は、全く難しいことなどないですし、大した時間もかからないです。

 

 グレアムさんの時代とは全く異なり、今、この現在、あなたは、最新のテクノロジーとインターネットそして優れたアナリストの力を借り、ものの数分(もしかすると数十秒)で素早く財務状況を詳細に分析し、把握することが可能な時代に生きているからです。

 

 私の行っている具体的なアプローチについては、また改めてお話しします。もし、気になるという方は、問い合わせページから質問してください。

 

2:信用取引をしない(借金をしない)

 私には、[su_highlight background="#fffc99" color="#ff1c2b"]お金を借りて投資をするべきではない[/su_highlight]という強い信念があります。

 

 私が今、保有しているすべてのポートフォリオも『現物』だけで構成されており、信用取引は一切使っていません。

 

 この種の考え方は、FX(外国為替証拠金取引)などが賑わいを見せる昨今では、保守的に映るのは理解できます。でも、私自身がこれまで信用取引を行ってきた経験と現物取引だけを用いた時の経験を比較すると、絶対にやめておいた方が良いと言わざるを得ないです。

 

 信用取引で中・長期的なポジションを保有することによる、精神的なプレッシャーはそれをやった者にしか想像できない、大変に過酷なものです。

 

 私は、投資においては『自分の感情といかに上手く共存していくか』ということを他のどんな要素よりも優先するタイプの投資家です。証拠金を使った信用取引では、現物取引と比べ、感情のコントロールは途方もなく困難なものですし、一旦、損失を抱えることになると、夜、眠りにつくどころか、まともに日常生活を送ることすらままならなくなることはあなたの想像に難くないはずです。

 

 2007年からの米国の住宅バブル崩壊を端緒とする世界金融危機が発生した時、信用取引を使って株を保有していた人たちは綺麗さっぱり吹き飛ばされ、マーケットから退場していきました。

 

 本当に誰もいなくなり、残されたのは静寂の日々という様相でした。一方、現物だけで資産を保有していた者は、減配・無配の試練はあったにせよ、配当を受け取りながら、嵐が過ぎ去るまでなんとかやり過ごすことができたのです。

 

 長期的な視点に立てば、私たちはこれからも投資判断を誤ったり、想像もできない困難に直面することは一度ならずあるはずです。そこで生き延びるためには『借金をしない』というあまりにシンプルな条件が物を言うのです。

 

3:トレーダーである

 ここで、「はぁ!?」と思いましたか?

[aside type="boader"]

  • 企業の経営・財務状況からその本質的価値を見極めるファンダメンタル投資。
  • 株価の値動きから売買のタイミングを導き出すテクニカル投資。

[/aside]

 両者は相反する手法として認識されるものかもしれませんが、私は、ネット回線で配信されるトレーディングツールからのリアルタイムの情報なしには、投資家として今の資産を築くことは不可能だったと思います。

 

 私は、一般的なテクニカル指標を判断材料にして株を取得することはほとんどありません。しかし、トレーディングツールに描画されるチャートには、マーケットに参加する人間の感情がダイレクトに色濃く投影されています。そこで嗅ぎ取った群集心理こそは私にとってかけがえのない判断材料です。

 

 あなたが注目する企業のチャートが、同業他社のチャートと比べてどのような動きをしていて、株価収益率にはどれくらいの違いがあるのかといった相対化作業の積み重ねは、投資家としての最高の学びとなり貴重な経験として蓄積されていきます。

 

 この、『投資家はトレーダーでなければならない』という考え方は、グレアム氏やバフェット氏と私の異なる点だと思います。私は、今の時代、バリュー投資で成果を出すのは簡単なことではないと考えています。

 

 手堅く利益を上げている割安企業に投資をしたとしても、株価が本来的価値へと修正するまで時間がかかり過ぎてしまうことや、そもそも企業間の競争が激しく、変化の早い現代経済においては、企業の将来を保証するような独占的優位性を保ち続けること自体が難しくなっているようにも感じます。

 

 ファンダメンタル投資のスキルを持っていたとしても、テクニカル・トレーディングの知識が欠落していれば、思うような成果が得られないというのが私の経験から生まれた結論なのです。

 

 チャートを見るために必要なトレーディングツールは、証券各社が優れたものを無料、ないしは非常に安い価格で広く提供していますので安心してください。

 

 実際に使って見ると、グレアムさんの時代にはとんでもない時間と労力が必要だった作業も、クリックひとつで一瞬で終わってしまうのですから時代の恩恵に感謝をせずにはいられません。

 

 ちなみに私が11年以上長く使い続けているトレーディングツールは、SBI証券のHyper SBIというソフトです。複数のチャートを同時に、素早く、安定的に描画することのできる信頼のおける相棒です。

 

 

まとめ

 投資とは、目先の短期的な結果ではなく、いかにして人生全般を通じて長期的に資産を築いていくかが重要だと思います。そのためには売買の技術的なことよりも、資産を築くための考え方を知ることの方がずっと大事です。

 

 そのはじめとして、投資と投機ははっきりと区別して認識し、投資家として行動し、投機的行動はは慎むべきだということ。

 

 そして、投資家とは、

 

  1. ファンダメンタルを把握している。
  2. 信用取引をしない。
  3. テクニカル・トレーディングの知識を持っている。

 

 以上の条件を備えているべきだと思います。

 

-金持ちの思考

© 2024 日本高度成長研究所